晩年の祐遍和尚は第六世の重翁に教えを授けると、「自分が去ったのちに白煙の立ち昇ったところを墓にしてほしい、そこに参った人たちの願い事の一つを必ず聞く」と弟子たちに言い残し、酒谷河原でいかだを組むと海のかなたの観音浄土を目指してこぎだし、入水往生、菩薩となり補陀落渡海僧となった伝えられています。
その白煙が立った場所は、天然の堀である酒谷川にぐるりと囲まれた飫肥の城下を見渡せる山頂。
その地に朱色の屋根の”祐遍堂”が建立され、その日が寛永4(1627)年8月3日。
今も毎年この8月3日に願成就寺住職読経のもと、その祐遍法印の命日の供養と、皆さんそれぞれの願い事(家内安全・先祖供養など)を託して”祐遍法印灯篭流し”が行われています。
お盆も近い夏の日の宵、川面をゆったりと音もなく流れ行く灯籠達の仄かな灯りは、忘れていた人々や想いを忍ばせてくれるかのようです。
みなさまが灯篭流しに参加を希望される場合は 願成就寺tel 0987-25-1558
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